「12ハロンのチクショー道」のハナシ

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『12ハロンのチクショー道』https://ncode.syosetu.com/n1730eu/

『新卒で入ったエロゲ会社が一年と経たず倒産して腐っていた男が競馬で借金を作ってなろうで小説を書くまでの話』https://ncode.syosetu.com/n3090ew/

日(昨日)久しぶりに小説家になろうの日刊ランキングを覗いてみたら

ハイファンタジーの8文字がズラリと並んでる中でひと際異彩を放っていたものがあったんだよね、それが「12ハロンのチクショー道」──以下チクショー道──なんだけど。

ウマ娘か将又マキバオーの流れか馬に人語を喋らせると(チクショー道においては喋ってはいないが)面白くなる法則でもあるのかチクショー道も例に漏れずに実に面白い。

馬に転生するからチクショー道(畜生道)なのだろうけれど流石にマルッコの中の人は邪すぎて笑ってしまった、そら畜生道に落ちますわ。

 

白かった点を聞かれたら先ず上がるのがマルッコの魅力と「競馬」の持つ「熱量」だと思う。

マルッコは現実で例えるならオグリキャップのように地方からの下克上でサイレンススズカのような逃げの脚質("逃げて、差す"みたいに理不尽じゃないけど)とゴールドシップ、延いてはステイゴールド産駒の愛くるしさというか愛嬌を併せ持ったような馬。

ヒトが入っているから賢いが賢いからこそ鞍上の言うことを聞かないわカメラに反応してキメるわでなかなか破天荒な奴。ヒトの生は前前世で前世も馬、その時の騎手であるクリス(Cルメール騎手のモジりかな)も挫折を通じてかつての相棒と再会し再起していく過程もとてもアツかった、それもマルッコの謎の愛嬌が為せる技であったと思う。

第二にやはり競馬というお金の絡むギャンブルは「夢」「熱」は凄まじいものであって、二次創作もそれを題材とする以上必然的にアツい物になるというコト。そのアツさによる圧が続きを読め、続きを読めと急かしてくると言えばいいのか正に「競馬の熱」が詰まったレースのような小説だったと思う。

確かに粗削りな所や読み足りない、描写が足りない部分もあるとは思うけれど「アツさ」は良い作用を起こしたし、その熱はどの小説にも負けることはないと自分は確信した。少なくともそう思わせるような作者の「熱」を感じさせる面白い小説だった。

また同作者が投稿しているエッセイも凄まじい内容だった、ダノンプレミアムへの思いが特に。

本当に面白い小説だったので今後も作者さんを追っていきたい所存。

 余談になるけどもうちょっと競馬関係者を知ってたらもっと面白かったろうなってのが残念、まあ竹田豊とか池園とか横山さん、ポエマーなどちょいちょい分かったけどもね。